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再販制度とは一種の規制である。
だが、様々な規制の緩和が進められようとしている今日、化粧品の再販制度については先行する規制緩和のケーススタディとして公正な立場からとらえていかなければならない。 再販イコール規制は、当該業界だけにとどまらず、広く社会経済の中に長い期間にわたって根づいた問題である。
そして、今日に至るまで幾たびか改定も試みられてきた。 だが、その改定内容は消費者まで含めた不特定多数にまで正しく知らされることなく、成文としては徐々に緩和の方向に進んでいる。
そのプロセスにおいて、当初の「規制」内容が不文律として通用していると考えられるのである。 規制緩和は、現在の社会情勢からみて不可欠である。

しかし、各種規制の“緩和”は実際には大きな意味をもたないことを化粧品の再販制度の事例から理解できるだろう。 諸外国からの要請等もあって政府が市場開放に邁進すべきことはうなずける。
しかし、規制の緩和はあくまで“緩める”だけである。 本質的な構造そのものを改革するまでには至らない。
その意図を完全に遂行しようとするなら、次の二点が重要である。 ①規制は“緩和”するのではなく、機をみて「撤廃」しなければ本質を改革できない。
②撤廃、もしくは大幅に譲って緩和した場合、その正しい内容を広く社会に知らせる努力をする。 平成4年に提出された、いわゆる“鶴田報告”では再販全廃が答申された。
だが、その後、にわかに当時の政権政党が反対し、再び「再販は縮小」という“存続”が決定した。 化粧品業界は一斉に歓喜の渦に包まれたと聞く。
当分の間、定価販売が保証されたことになったわけである。 これによって化粧品業界は、“消費者利益の確保”を前提とした競争の促進という「独占禁止法運用強化のガイドライン」の趣旨に同調する必要がなくなったと考えることもできる。

再販制度が諸規制と同様、政治の道具として利用されているとは考えたくない。 しかし、規制緩和という決断は、K屋など安売りのケースに見るまでもなく、「あまりにも高すぎる化粧品だから」低価格で購入したいと願う消費者の期待を裏切り、図らずも化粧品の価格を維持する結果を招いてしまったように思われてならない。
米国流通業界にみる逆流現象ブランド崩壊とカテゴリーマネジメント異業態間競争へと突入米国では、数年前から小売業の経営者たちの間で「既に同業種間の競争から異業態間競争へと突入した」と言われている。

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