お初のように主人の目をさまさせるだけですめばよいが、階段の転落で生命さえ落とすこともある。
以前に、家の中でいちばん事故が多いのはどこかを調べたことがある。
その結果は、住まいの中の工場ともいえる台所をしのいで、階段が一位だった。
子どもたちの遊び場にもなりやすく、階段は安全性を十分に考えて設計しなくてはならないものなのである。
勾配が急になるほど、落ちたときのケガは大きいが、逆にゆるやかすぎても場所をとりすぎるだけで、意外に使いにくい。
建築基準法では、一般住宅の階段を、蹴上げ(一段の高さ)23センチ以下、踏み面(一段の奥行き)は15センチ以上としている。
これだと最大約60度の勾配となるが、できれば45度ぐらいにしたい。
勾配45度以下になると、急速に事故がなくなってしまうという研究結果があるのだ。
階段の形は、まっすぐよりも、途中で折れまがるほうが転げ落ちる段数が少なくてすむので、ほかの間取りとのかねあいで考えあわせてみる価値はある。
また、階段を降りて正面にガラス戸があると、転落した場合、大ケガをする危険がある。
幼児がいる場合は、手すりの高さを90センチ以上とり、手すり子の間隔は10センチ以下とすると、安全だ。
床ですべっても絶対に生命にかかわらないとはいいきれないが、たいていはすり傷かたんこぶですんでしまう。
これが階段になるとその程度ではすまないのだから、つるつるにみがきあげるというのはやめたほうがよい。
階段は、家の中で唯一の「斜めの梁」を用いるところだ。
垂直、水平という柱組みの多い住宅の中で、階段自体が家の強度を増すのに役立っている。
反面、扱いにくい三角形のスペースが生じて、ふつうは収納スペースとして使う。
おもしろいのは古い民家の例で、箱段と呼ばれる箪笥ふうにしつらえたものがある。
幅のちがう引出しを積み上げたようなものだが、ロッカーふうの横開きのスペースも混ぜたりすれば、なかなか便利なものになるだろう。
日本のお風呂というのには、やはり独特の良さがあるようだ。
日本式の風呂は、くみおいた湯に入るという西洋式の行水型でもないし、サウナ式の蒸し風呂でもない。
湯を沸かしながら入る形式は、西洋人から見ると奇妙にうつるようだ。
ましてや五右衛門風呂にいたっては、浴槽自体が釜なのだから、西洋人が驚くのも無理はない。
最近ではシャワー主体というのが生活のスタイルとして日本でも増えてきているようである。
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