インプラントのこんな印象
歯肉が下がれば歯冠の長さが必要以上に長くなるので、見た目が悪いのです。
それを防ぐためにはインプラント埋人後に口腔内から歯肉を移植する方法もあります。
骨がなくてもインプラント治療が受けられるインプラントを埋入する骨は、クオリティ(質)が悪い場合と、量が少ない場合の二つが考えられます。
そうしたニーズに対応するために、まずインプラント体が改良されました。
骨が作られるのは、骨の中にある海綿骨という血管が通っている軟らかい部分です。
皮質骨が非常に薄く海綿骨が軟らかすぎる場合は、ドリルで穴を開けた後にインプラントを埋大しても、初期固定(プライマリースタビリティ)が得られず動いてしまうことがあります。
中には、海綿骨が極端に少なくなり、硬い皮質骨だけになっているケースがあります。
そういう場合でも、インプラント体の表面の仕上げを粗くしたタイプを使って、チタンのオッセオインテグレーションができるインプラント体を使うことで対応できるようになっています。
インプラント体の表面を粗くすることで周りに血液が集まり、早期に骨ができるようになるため治療が可能になります。
また、インプラント体に歯の根と同じような形(テーパー型という)をつけて、初期固定しやすいようにデザインされたものも開発されており、皮質骨が薄く海綿骨が軟かい症例でも治療が可能になっています。
さらに、インプラント体に岐合圧がかかり過ぎると頚部に応力が集中し、それが原因で骨の吸収が始まることがわかっています。
特に、表面の皮質骨に埋入されている部分には応力がかかるので、それを予防するためにこの部分にマイクロスレッドといわれる細かい切れ目を入れます。
これで圧力が分散されます。
またスレッドの溝の幅を骨の細胞の大きさに合わせて超ミクロの加工を施すことで、骨の生育を一層促進することができるようになっています。
骨の量が少ないというケースもあります。
歯を抜くと骨吸収が始まり、下顎は上から下に向けて垂直的に骨が吸収されるので、骨の幅はあるが高さがなくなってきます。
上顎の場合は骨の高さもなくなりますが、それ以前に外側の頬側・唇側の骨からも骨が吸収されるので厚みもなくなります。
骨の高さも幅もないというところに、インプラント体を埋入するのはかなり大変です。
通常インプラント体の直径は約四ミリあり、周囲に最低一ミリずつの余裕が必要なので、骨の幅は六ミリ程度必要です。
この幅が取れない場合は、従来はインプラントを諦めなければなりませんでした。
しかし現在は、骨の量が足りないケースにも対応できるよう技術的な解決がなされています。
骨を再生して増やすことで量が少ない場合でも十分対応できるようになってきているのです。
骨の再生方法については、四章で詳しく説明します。
骨の吸収を抑えるために、アバットメントの形も変化しています。
今までの製品はインプラント体の上に被せるように装着していましたが、最近ではインプラント体上部に穴をあけて、穴にアバットメントを差し込む製品も開発されました。
これは、インターナルフィクセーションという名称で、このタイプを使用すると骨が吸収されにくいことが報告されています。
インプラントを粗大すると、基本的にはオッセオインテグレーションまで四~六か月置かなければなりませんが、できるだけ早く歯を装着したいという希望も出てきています。
そこでアバットメントがなく本体が一体化されているインプラント体が開発されました。
これはインプラント体を埋入すると同時に上の部分を削合し、そこに歯を装着します。
インプラント治療は、確実なオッセオインテグレーションだけでなく、より早く、よりきれいに、より機能的にということが求められています。
そのため、骨の質や患者の状態によって、どの形のインプラントを選ぶのが最善なのか、それに対応するにはどの技術が最適なのかを選択することで、最良の治療を行うことができます。
外科的技術がインプラント成否を分けるインプラント治療は、シンプルです。
骨にインプラント体を埋入し、数か月骨の中に埋めたままにして、その後で歯を取り付けるだけです。
私が診た患者さんの一年間の治療成績を見ると、一九八一年の時点で、上顎が八一%、下顎が九一%の成功率だったのが、現在は、正しい治療を行うという前提であれば、上顎は九五%、下顎は九九%の成功率を誇っています。
私が手がけた最初のインプラント治療「ブローネマルクシステム」は一九八七年でした。
患者さんは蕎麦屋のご主人でしたが、治療から二〇年以上経った現在でも、当時埋入したインプラントをそのまま使用し、元気に過ごされています。
このように、オリジナルプロトコールに従い正しく治療されたインプラント治療は、安全で長期の使用が可能です。
正しい治療における条件とは、繰り返しになりますが先のアルブレクソン教授の指摘した六項目です。
適切なインプラント体を使い、適切な技術で治療が実施されれば、成功率はほぼ一〇〇%に近いところまで来ています。
とりわけ正しい治療を行えばという条件におけるサージカルテクニック、つまり外科的治療技術は大きなウエイトを占めています。
インプラント体は下の方にねじ山が切ってあるスクリューになっていて、上部は少し膨らんだ形になっています。
このねじ山を海綿骨に入れて、皮質骨に上部をしっかり固定させることが大切です。
この場合、いかに皮質骨を壊さないで固定させるかという技術が欠かせません。
従来は皮質骨の内側の海綿骨のところで、インプラント体の上部を固定させるほうがしっかり止まるのではと考えられていました。
しかし、多孔性の海綿骨は空洞があり、多くても四〇%程度しかインプラント体に密着しないため、初期固定が難しいということがわかっています。
インプラント埋人の失敗で多い、抜ける、ぐらぐらするといったトラブルは、インプラント体の初期固定不全が原因であることも多いことからも、海綿骨上部での固定は不適切ということになります。
皮質骨にしっかりと固定しなければならないのですが、このときに注意が必要なのが熟に対する対応です。
インプラント体を埋入するために、事前に骨に三ミリドリルで穴をあけます。
一度でうまくあけばいいのですが、骨が硬かったり、適切な位置ではないと一度で穴があかないことがあります。
焦って骨の上でドリルを空回転させると、先端に熟を持ちます。
仮にドリルの温度が四七℃を超してしまうと、骨はくっつきません。
骨の細胞が死んでしまうので、オッセオインテグレーションが起こらなくなり、チタンのインプラント体といえども抜けてしまうのです。
現在は、新しいよく切れるドリルの刃で、ドリリングスピードをコントロールして常に低い温度で回転させています。
熱を持たせないように穴をあけると同時に、冷却した生理食塩水でドリルと術部を冷却しながら形成します。
これが第一の技術的なポイントです。
以前は冷却効果を得るために、インプラント体を生理食塩水で冷却しながら埋大していましたが、現在は患者さん本人の血液をインプラント体につけながら、ゆっくり回転して塩入するようにしています。
血液がついていると、オッセオインテグレーションがより早く行われることがわかってきたためです。
岐合に負けないインプラント歯を失ったときの選択としてインプラントと義歯を考えたとき、インプラントのメリットとして挙げられるのが校合圧に対する対応です。
インプラントは噛むときにかかる圧力をしっかり受け止め負担するので、残っている自分の歯に余計な負担をかけません。
なにしろ、上下の歯を力いっぱい噛み合わせると、一平方センチメートルあたり二〇キログラムを超える力がかかるといわれるので、暁合圧のコントロールは欠かせません。
インプラントが瞭合圧を受け止める条件は、インプラント体がしっかり骨に固定されてぐらぐらしないことです。
このために、下顎にインプラント体を塩入した場合は、臨床的にオッセオインテグレーションが獲得できるまで四か月そのまま置き、上顎は骨が薄くて軟らかいので定着まで六か月程度置いておきます。
その間は仮歯を装着し、インプラント体に負担をかけないようにして、骨にくっついたことが確認されて初めて、上部の歯を取り付ける治療に入るのが通常です。
治療にあたっては、歯を取り付ける土台となるアバットメントを、インプラント体の上につけます。
アバットメントは歯肉を貫通させるので、キズが治癒した後に、上部構造(歯の部分)の型を取り、技工操作で歯を作りアバットメントに取り付けて完成です。
つまりインプラント治療を開始してしっかり噛めるようになるまでには、下の歯で最低五か月、上の歯で最低七か月程度かかるということになります。
その後、完全にチタンが骨にくっつくまでには、歯を取り付けてからさらに一年から一年半、つまり、オッセオインテグレーションが完成するまでには、実質二年以上かかるのです。
それでは、どうしてインプラント体を埋入してから四か月で上部組織を取り付けることができるのでしょうか。
皮質骨にがっちりとインプラント体が止まっているからこそできるのです。
完全にオッセオインテグレーションは完成しているわけではありませんが、臨床的には岐合に耐える程度には出来上がっています。
現在は共振共鳴装置で、インプラント体に振動を加え数値を図ることで、骨にどれくらいの強さでくつついているかを調べられるようになり、この数値でも確認しながら治療を行っています。
インプラントの最大の敵、細菌感染正しいインプラント治療を行っても、インプラント体が抜けたり壊れたりということが起こることがあります。
二年以内に抜け落ちる初期の失敗と、しばらく時間が経過してから起こる後期の失敗の二つのパターンでは原因が違います。
初期の失敗原因は埋人に技術的な問題があったり、状態の悪い顎堤に無理に塩入したために起こると考えられます。
あるいは、仮義歯の岐合圧でインプラント体に圧力がかかったことなどが原因のこともあります。
つまり初期の失敗は、オッセオインテグレーション完成前に壊れてしまっているのです。
後期については、ある程度使うようになってしばらくしてから失敗します。
原因は、大きく分けて二つあります。
一つはオーバーロードです。
あまりに大きな岐合圧がかかり過ぎたために、インプラントを支えている骨に負担がかかり、骨が壊れるためにインプラント体が抜けるというもので、後期の脱落の原因の一番に挙げられます。
もう一つは、細菌感染による脱落です。
これは埋大したインプラント体周囲に感染が起こり、骨が吸収されることでインプラント体が抜け落ちてしまうのです。
インプラント体と天然歯は組成が違います。
天然歯は、細菌に対する防御機能が備わっているので、ある程度の細菌の攻撃に対して耐えることができるのですが、インプラント体は、歯肉の部分にプラークが大量に付着すると炎症を起こし、骨に感染する可能性が高くなります。
インプラント体は歯根膜がないので、血液の供給は歯肉と骨に頼らざるを得ません。
しかも歯根膜がないために、骨を水平で支えるコラーゲン線維というものが存在せず、コラーゲン線維が担っていた細菌に対する抵抗性が減少します。
垂直方向のコラーゲン線維だけでは抵抗性が足りないのです。
天然歯では、骨のレベルよりてリ高いところに水平にコラーゲン線維が走っているために、細菌が直接侵入しにくくなっています。
ところが、インプラント体の場合は、最初は周囲の歯肉がチタンの表面にぴったり付いているのですが、ここが一度開いてしまうと、骨のところまで直接感染しやすくなってしまいます。
インプラント体や骨に細菌がつくと、防御システムがないために瞬く間に感染が進み、骨がすべて溶けるまで(インプラント体が抜けるまで)感染は止まりません。
骨がなくなると、インプラント体を支えるものがなくなるので脱落します。
つまり、埋入したインプラント体すべてが抜け落ちるまで、歯周病の感染は進行してしまうのです。
治療には抜けたインプラント体を含むすべてを抜いて感染治療を行い、完治したところで再度埋入する必要があります。
それほど感染のパワーは強いのです。
まさに、インプラント治療は細菌との戦いに勝利することが成功の秘訣なので、埋人後は定期的な感染予防のクリーニングが欠かせません。
何より大事なのは、毎日の歯磨きです。
根元や歯肉を含め丁寧に磨くことで、細菌の繁殖と侵入を防ぎます。
また、半年間は、一か月に一度徹底したクリーニングが必要です。
オッセオインテグレーションが完成する二年経過後は、半年に一度あるいは一年に一度の割合で、クリニックでの徹底したクリーニングを行うことで最高の状態を保つことが可能となります。
歯は見た目が美しくなければ意味がないインプラントは入れ歯のようにいちいち取り外して洗う必要もなく、しかも硬いものも食べることができる便利な歯です。
機能という観点から考えると、歯を失った人にとって、考えうる最高のものといえます。
しかし、歯は食物を岨噛できるというだけでは意味がありません。
人間の表情は口元に現れます。
笑ったときにこぼれる、きれいに揃った歯は表情を明るく楽しそうに見せます。
インプラントも単に自分の歯と同じように食べられるようになるだけでなく、見た目が美しくなければ意味がありません。
たとえば、前歯の周囲の骨が吸収され歯肉が下がってくると歯と歯の問に隙間ができ、抜歯するとさらに骨は垂直的に吸収されます。
吸収した部分に、そのままインプラント体を塩入して上部構造をつけてしまうと、正面から見ると歯の根元の部分が見えてしまうこともあります。
この歯と歯の間の隙間をブラックトライアングルというのですが、これがあると見た目がものすごく悪くなります。
この隙間を埋めて自然に見えるようにするために、健康な状態の歯牙の周囲組織を再建する必要があります、インプラントの審美治療は、失った歯肉や歯槽骨を元の健康で美しい状態に戻す治療なのです。
最近、歯に関する見た目を改善する審美歯科の看板を掲げるクリニックも増えていますが、ここでいう審美はホワイトニング中心になっています。
しかし、インプラントや総義歯における審美は、本当の意味でのエステティックに作り上げることを目指しています。
インプラント治療で美しい歯を手に入れるにはいくつかの原則があります。
この九つのポイントが揃っていれば、最高に美しい歯を手にすることができます。
中でも審美にとって必要不可欠なのは、歯肉に関するものです。
美しい歯は輝くような白い歯だけでなく、明るいピンク色の歯肉が揃ってこそ、完璧な審美を追求したことになります。
また、歯と歯の境目がきれいなカープを措いていることで、歯もきれいに見えます。
インプラントはいかがですか?インプラントの為になる情報です。
インプラントとコラボレートしてみました。季節ならではのインプラントです。
インプラントは世界各国で実践されています。インプラントグッズが人気です。